奈良市からの助成金カットにより存続が危ぶまれている「なら国際映画祭」。応援の声や支援が各地からあり、河瀨直美さんは「今年の4日間の開催は約束できる」と感謝のコメント。6日間開催に向けて、引き続きの支援とボランティアスタッフを募集中。
「なら国際映画祭」は、奈良県出身で現在も奈良に住む映画作家・河瀨直美さんの発案により、2010年にスタートした映画祭。地域の人たちや映画関係者の協力を受け、2年に一度のペースで開催してきた。会期中には世界各国からゲストを呼んでの映画上映のほか、若手監督の作品制作助成を実施し、奈良を舞台にした外国人監督の映画撮影をサポート。映画を通じて、奈良の魅力を国際的に発信する試みを行っている。
さらに地域と連携した催しも多彩に実施。寺・小学校での野外上映、児童への映画文化の啓発、アートイベントなどを盛り込んだ一大フェスティバルとなっている。
今年で4回目を迎える同祭だが、開催と存続が危ぶまれる事態に。映画祭の総事業費の約3分の1にあたる奈良市からの補助金1,260万円が、3月末の新年度予算審議で全額削減された。同祭の実行委員会は、運営費をチケット収入と協賛金でまかなってきている。第4回目の今年は、祝日の関係で例年より長い計6日間の開催を検討し、約4,000万円の総事業費を見込んでいたが、逆風が吹いた形となった。
これを受けて、河瀨直美さんをはじめとする実行委員会や有志が様々な形で活動を開始。夏木マリさん、別所哲也さん、斎藤工さん、松田美由紀さんといった俳優陣からは応援コメントが届いた。
市民からも動きが起こり、奈良市では「なら国際映画祭2016全力応援上映会」が催され、盛況に。また、同委員会の協賛を募る「レッドカーペットクラブ会員」の会員数が、1カ月で約300名増加した。さらに有志によるクラウドファンディングサイトも立ち上がるなど、様々な動きを見せている。
河瀬さんはメールレターで、レッドカーペットクラブへの入会やその他支援をした方に対して、「皆様に心より感謝申し上げます」とあいさつ。おかげで、前回と同じく4日間の開催は確実に実施出来る目途がついたという。
目標の6日間開催に向けて、「引き続きの応援、宜しくお願い申し上げます」と呼びかけている。
また同祭では今年のボランティアスタッフの募集もスタート。6月から10月頃までの長期スタッフ(事務局サポート、広報)と、9月17日から22日までの短期スタッフ(会場運営、舞台サポート、デイリーニュース、アテンド、託児)の参加を募っている。
詳細情報 |
■開催日程(予定) 9月17日(土)~22日(木・祝) ■サイト |