アニメーション作家の作品を、毎回ある作家やグループに絞って上映する「Animation Runs!」が姫路で始動。第1回はベルリンで銀熊賞を受賞した和田淳さん特集を9月30日(水)に開催。以降毎月1回ペースで開催予定。
「Animation Runs!」は、日常の中に短編アニメーションを楽しめる場を作り出そうと、継続的にスタートされる上映イベント企画。姫路を拠点に、定期的な上映場所の発信を行う。
1プログラムを60分とし、作品上映と観客たちによる感想交換、作家による解説・ティーチインなどを予定している。また特徴として、複数の作家の作品を一度に鑑賞することを避け、同じ作家の作品をまとめて鑑賞することで作品と作家への理解を進めることを企図。「短編アニメーションの上映で、あまり多くの作家の作品を連続で鑑賞すると、慣れない観客は作品を十分咀嚼できないまま、別の作家の作品を観ることを余儀なくされる」ことから、それを回避する狙いがあるという。
場合によっては感想の交換後、上映済みの作品の中から1本を選んで再度鑑賞することも想定しており、書くより深く作品と向き合う機会を創出する。
運営母体の一つに、姫路シネマクラブが参加。1997年に創立された非営利の映画上映グループで、通常の上映会以外にも「シネマ窟」と題したインディペンデント映画の上映会を多数実施してきた。
今回はアニメーション作品に特化し、上映会シリーズを「Animation Runs!」と命名。もともと動くものであるアニメーションが、「さらにこの場で動く・走り出す」という思いをこめたという。
主催者は「姫路という地方都市で、日常の延長の中で短編アニメーションを楽しむ小さな上映会ですが、ひとつの動きを形成することが出来ればと思っています」と話す。
第1回の今回は、和田淳さんの特集。兵庫県出身のアニメーション作家で、独学でアニメーション制作をスタートさせ、海外の映画祭で多くの賞を受賞しつづけている。2012年にはベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞するなど、国内での注目度も高いアニメーション作家だ。また映画『私は猫ストーカー』(2009年)、『ゲゲゲの女房』(2010年)でアニメーションパートも担当している。
今回は和田さんの作品の中から、『係』(6分15秒)、『鼻の日』(9分30秒)、『そういう眼鏡』(5分40秒)、『わからないブタ』(10分10秒)、『春のしくみ』(4分20秒)、『Anomalies』(3分)、『生態』(1分)の7作品を上映する。
「Animation Runs!」Vol.1和田淳監督特集は、9月30日(水)の18時からと19時30分からの2回、姫路のブックカフェギャラリーQuiet Holidayで開催予定。料金は一般800円(1ドリンク付き)、高校生以下500円(1ドリンク別)。
第2回は10月30日(金)開催予定、文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞した手描きアニメーション作家・鋤柄真希子さんの作品上映を行う。
以降も11月20日(金)と12月18日(金)には「東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第六期生特集」を、2016年1月29日(金)にはベルリン映画祭などでノミネートやその他の映画祭での受賞歴も多数ある短編アニメーション作家・水江未来さんの特集を予定している
詳細情報 |
■開催日程 9月30日(水) 18時~/19:30~ ■料金 ■開催会場 ■サイト |