チェコの芸術家ヤン・シュバンクマイエルの50年を超える監督生活を振り返る「シュヴァンクマイエル映画祭2015」が、3月から関西へ。大阪のシネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館、神戸アートビレッジセンターで開催される。
ヤン・シュバンクマイエルは、チェコスロバキア出身の映像・アニメーション作家。アニメ大国と呼ばれたチェコの中でもその異才が高く評価された芸術家でもある。ストップモーションアニメの手法を多用し、実写とアニメの両方を活用しながら、他には類を見ない映像世界を作り出している。
今回は、1964年の短編デビュー以降、今なお活動をつづける氏の監督人生にスポットライトを当て、6プログラム全22作品を一挙上映する。
シュバンクマイエル作品の代表格としては『アリス』(1988年、84分)だ。ルイス・キャロルの原作を元に、3年の歳月をかけて制作された長編第一作で、9歳の少女をアリス役に起用し、実写とコマ撮りを組み合わせて撮影した。白ウサギの剥製、帽子屋の人形などがオリジナリティあふれる動きを披露する。過去の短編の集大成的作品としても評価が高い。
他には、チェコの恐ろしい民話を元にした『オテサーネク』(2000年、132分)や、夢の様々な形や表現を描いたラブ・サスペンス『サヴァイヴィング ライフ -夢は第二の人生-』(2010年、108分)という長編作品を上映。
さらに、多彩な短編作品も、3プログラムに分けて上映される。舞台演出の経験を生かしたものから、様々なアニメ技法に挑戦したもの、ドキュメンタリー的なもの、即興的に撮影されたものなど、ヤン・シュバンクマイエルの創造力と才能を存分に発揮した短編作が勢ぞろいする。
中には、プラハ国民劇場の代表的な舞台作品で世界で6000回以上も上演された「魔法のサーカス」の一部で、シュバンクマイエルが多数の映写幕を使った美術を手がけた作品も特別に上映する。
「シュヴァンクマイエル映画祭2015」は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで3月16日(月)から4月3日(金)まで、京都・東寺の京都みなみ会館で4月11日(土)から4月24日(金)まで、神戸・新開地の神戸アートビレッジセンターで4月25日(土)から5月3日(日)まで、それぞれ開催予定。
シュヴァンクマイエル映画祭2015特報 |
詳細情報 |
■開催日程 ・シネ・ヌーヴォ 3月16日(月)~4月3日(金) ・京都みなみ会館 ・神戸アートビレッジセンター ■映画館 京都みなみ会館 神戸アートビレッジセンター ■サイト |