現代美術界から注目を集める映像作家フィオナ・タンの代表作14点を紹介する関西初の大規模個展「フィオナ・タン まなざしの詩学」が、大阪・中之島の国立国際美術館で開催中。3月22日(日)まで。
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
フィオナ・タンは、インドネシア生まれ、オーストラリア育ちの映像作家。現在はオランダのアムステルダムを拠点に活動している。写真やビデオ、フィルム、デジタルビデオなどを駆使して、ドキュメンタリーとフィクションの間を行き来する映像作品を作りつづけている。
自らの出自を探り、インドネシアの反中国人暴動によって離散した自身の一族を追ったドキュメンタリー「興味深い時代を生きますように」(1997年)をはじめとして、人間の存在が時間や場所にどのように関わっていくか、という根源的なテーマを主軸に映像作品を発表してきた。
今回は、彼女の初期から近年までの代表作14点を一挙公開。関西では初めての大規模個展となる。
アジア初公開となるのは、イギリスの建築家が蒐集した考古学資料・骨董品を、6つの異なる撮影技術で記録し、それを同時に投影するというインスタレーション「インヴェントリー」(2012年)。また日本初公開としては、ヴェネチアから始まったマルコ・ポーロの「東方見聞録」の旅を、2つの映像で映す現代の風景でたどり直す「ディスオリエント」(2009年)、肖像画のような縦長の枠内で、アムステルダムに住む人々を撮影した映像を再生しつづける「プロヴナンス」(2008年)、そして自身の初期の代表作「興味深い時代を生きますように」(1997年)。
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo Photo: Per Kristiansen
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
さらには、写真と認識、写真と世界の関係を問いかける「影の王国」(2000年)、彼女自身が赤い風船につられて宙に浮かぶ様を撮影したセルフ・ポートレート「リフト」(2000年)、縦長の2つの画面上で、年老いた女性と若い女性の日常のシーンにナイアガラの滝の映像を重ね合わせ、人生の記憶を想起させる「ライズ・アンド・フォール」(2009年)も展示上映されている。
Courtesy of the artist and Frith Street Gallery, London; Wako Works of Art, Tokyo
すべての映像作品を堪能すると、数時間は必要となる本展。もう一度鑑賞したいという人のために、2回目は半券提示で団体料金で入場できるサービスも実施。
開催期間は2015年3月22日(日)まで。12月29日(月)から1月3日(土)までは休館。場所は大阪・中之島の国立国際美術館。
詳細情報 |
■開催日程 12月20日(土)~2015年3月22日(日) ※12月29日(月)~1月3日(土)まで休館 ■営業時間 ■休館日 ■料金 ・団体 ※高校生以下無料、障がいのある方と付添者1名無料 ■開催会場 ■サイト |