安達祐実さんが大胆な濡れ場に挑んだことで話題の映画『花宵道中』が、テアトル梅田などで11月8日(土)から公開へ。豊島監督は「上手さでなく凄さを見てほしい」と話す。
『花宵道中』(2014年、102分)は、新潮社の「女による女のためのR-18文学賞」第5回で大賞と読者賞をダブル受賞した宮木あや子の同名小説が原作。江戸時代末期の新吉原を舞台に、花魁の主人公・朝霧が、青年・半次郎と出会い恋をすることから運命が変わっていく姿を描いた。主演は安達祐実さん、共演者に淵上泰史さん、小篠恵奈さん、高岡早紀さん、友近さん、津田寛治さんら。安達祐実さんが大胆なヌードシーンに挑んだことでも話題になった。
監督を手がけたのは『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』の豊島圭介さん。
作中で、安達さんが姉さんの花魁らしく啖呵を切ったりするシーンが印象的だが、「啖呵を切る、のようなことは彼女は今までの経験でできること。それじゃないところで勝負することがこの映画のテーマだと思った」と話す。
「『安達祐実が妖艶な大人の芝居もできる』というのも、目指すものではなく、その一歩前だったんです。それをゴールにはしたくなく、その先に行きたかった。彼女はうまいのではなく、すごいんだ、ということを表したかった」と振り返る豊島監督。最初台本の読み合わせをした時、「芝居がうますぎる」と感じたという。「花魁として、姉さんとしての演技が出来すぎて、芝居がどんどん記号になっていったんです。でも僕が見たかったのは、置き換えられない芝居。だから彼女がこの芸歴の中で身に付けたテクニックを剥いでいきました」と話す。
「大胆な濡れ場をやる、という殻の破り方だけでなく、彼女の芝居のやり方を打ち破る、ということをやってみたかった」という。
その濡れ場についても、「多くの恋愛映画で描かれるような『ああ、これで結ばれたんだ』ということだけを伝える記号的なシーンにしたくなかった」と話す豊島監督。「どんなふうに体を交わすか、ということをドラマにしたかった。濡れ場自体がドラマになるんじゃないかと」そんな考えのもと、自身で演出指導を丁寧に行った。一見長く思える濡れ場のシーンに仕上がったが、「全部、男性としてのぼくが、ドラマとして描きたかった濡れ場を指導したんです。そうしたら試写の後に女性ライターの方に、『女の気持ちがわかってますね』と言われて、ああよかったなあ、と」と笑顔を見せた。
最後に恋について聞かれ、「愛は広く大きいけど、恋という状態はとがっていて、短絡的で瞬発的。ある意味狂気に近いと思ってます。その恋に狂った人の人生、ぜひ見てください」と呼びかける豊島監督。映画『花宵道中』は、11月8日(土)からテアトル梅田、T・ジョイ京都、シネ・リーブル神戸で上映される。
『花宵道中』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 11月8日(土)~ ■映画館 T・ジョイ京都 シネ・リーブル神戸 |