大分県宇佐市を舞台に、唐揚げ専門店の家族模様を、モーニング娘。OGの高橋愛さん主演でハートフルに描いた『カラアゲ★USA』が、シネマート心斎橋、T・ジョイ・京都、元町映画館、ユナイテッド・シネマ大津で上映される。
『カラアゲ★USA』(2014年、95分)は、大分県宇佐市を舞台にした映画作品。唐揚げ専門店発祥の地である宇佐で、唐揚げ店の家族たちの人間関係をハートフルに描く。主演はモーニング娘。OGで、現在はさまざまな舞台やドラマで活躍している高橋愛さん。
高橋さん演じる彩音が、元夫の連れ子である黒人の少女を連れて、宇佐で唐揚げ店を営む実家に5年ぶりに帰ってくるところから、物語はスタートする。彩音は、ある日父親が倒れたことをきっかけに、唐揚げが嫌いでありながら唐揚げづくりに奮闘。宇佐で開かれる「カラアゲ・カーニバル」に向けて修行に励むが・・・というストーリー。
監督は、『ラーメン侍』『ROUTE42』などの作品を手がけ、地域に生きる人たちの姿を描いてきた瀬木直貴さん。
もともと瀬木監督が『ラーメン侍』の公開時に大分県を訪れた際、宇佐市のフィルムコミッションと「唐揚げをテーマにした映画を作ろう」という話になったのがきっかけだという。その後、唐揚げ専門店をめぐったり、地域の人に会ったりなどの取材を通して、作品の企画を温めていった。
「机上でプランニングするのではなく、街で取材をし、そこで出会う人たちを元に人物造形を行っていく」という瀬木監督。近年増えてきたご当地映画について、「地産地消、という形ではなく、映画はもっと普遍的で、多くの人に観てもらえることで再生産が可能になるという芸術方式。一定以上のクオリティと普遍性を持つ映画を作るバランス感覚を持っていきたい」と話す。
瀬木監督は「土地の力っていうのはあると思うんです。風景だったり食材だったり、それらによって育まれた、土地の人の人情やメンタリティであったり。たとえば今回の宇佐は、非常におおらかで平和的なところ。そういったメンタリティそのものが、映画に反映されていると思います」と話す。
「普遍性と地域性のバランスをとっていったことで、唐揚げが題材になりながらも、故郷ムービーにしあがったと思う」と胸を張る監督。「観てくれる人が、自分の中のふるさとなど、自分の人生の一部となっている場との関わりを考えてもらえれば」と呼びかける。
ちなみに作中のクライマックスの「カラアゲ・カーニバル」は、映画のために設定した架空のお祭りだが、撮影を機に住民の中で実現化しようという声が出て、現実のものになってしまったという裏話も披露した。
映画初主演となった高橋愛さんについては「モーニング娘。で一番芝居ができるかもしれない。はじける芝居をすることができる人。今回の、いきなりニューヨークに飛び出してしまう役柄はぴったりだと思いました」と振り返る。俳優の半生と役どころを重ねていくというスタイルの瀬木監督だが、今回は福井県出身の高橋さんを、宇佐の彩音に重ね合わせた。「東京生まれ東京育ちの人にはできない芝居をしてくれました」と評価したほか、「地域の人と映画を撮っていくこのような作品では、人とのコミュニケーションがとても大切。高橋さんはそれも素晴らしい」と絶賛。いい協力体制と空気感で撮影を終えることができたという。
映画『カラアゲ★USA』は、9月27日(土)から大阪・アメリカ村のシネマート心斎橋と京都のT・ジョイ京都、滋賀のユナイテッド・シネマ大津で上映開始。神戸の元町映画館でも10月4日(土)から上映予定。
『カラアゲ★USA』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 シネマート心斎橋 9月27日(土)~ T・ジョイ京都 ユナイテッド・シネマ大津 元町映画館 ■映画館 T・ジョイ京都 ユナイテッド・シネマ大津 元町映画館 ■サイト |