奈良在住の映画作家・河瀬直美さんが手がける「なら国際映画祭2014」が9月12日(金)に開幕。奈良県新公会堂で華やかにオープニングセレモニーが行われた。
「なら国際映画祭」は、奈良県出身で現在も奈良に住む映画作家・河瀨直美さんの発案により、2010年にスタートした映画祭。世界各国の映画を上映するほか、若手監督の作品制作助成や、寺・小学校での野外上映、アートイベントなどを盛り込んだ一大フェスティバルとして開幕し、以降は2年に一度のペースで実施。今回で3回目の開催となる。
今回は、オープニングイベントを、奈良公園地域内にある奈良県新公会堂で実施。階段にレッドカーペットを設置し、河瀨さんや審査員、その他参加監督たち、そして「レッドカーペットクラブ」会員らがカーペットセレモニーを行った。
河瀨さんは「奈良で生まれ育って45年経ちました。この奈良は、私が生まれるずっとずっと前から、いろんな人が生きて恋をして子どもを産んでいきました。その年数は1,300年。その月日がすべて今ここにあって、わたしたちの命があるのだと思っています」とスピーチ。
「わたしたちの映画祭は、映画を見せるだけでなく、映画を作る。この場所から、美しい映画たちが発信していく。それがめぐりめぐってやってくる」と話す河瀨さん。「子どもたちの未来、私たちの子孫の未来のために、この映画祭を奉納させていただきます」と高らかに宣言した。
その後は、会場を新公会堂の中の能楽ホールに移して、セレモニーを実施。コンテンポラリーアート楽団の「オープンリールアンサンブル」が映像を組み合わせたパフォーマンスを披露したほか、仲川げん・奈良市長や、コンペティションな部門の審査員長であるルチアーノ・リゴリーニさんらが登壇し、スピーチを行った。
あいさつで登壇したリゴリーニさんは、「まだ3回目の映画祭ながら、すでに国際的に評価されている映画祭になってきています」とスピーチ。「河瀨監督の作品はすべて、人生と自然に対する賛歌です」と絶賛し、「映画、それは人生そのもの。人生万歳、映画万歳」と宣言した。
また、奈良県で海外の監督が映画を撮るプロジェクト「NARAtive 2014」の作品であり、奈良県五條市で撮影された『ひと夏のファンタジア』の上映も。チャン・ゴンジェ監督や出演者らが登壇し、あいさつを行った。あいさつ後には、撮影時に協力した五條市民らによる花束贈呈も実施された。
なら国際映画祭2014は、9月15日(月・祝)まで奈良市各地で開催されている。
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■開催日程 9月12日(金)~9月15日(月・祝) |