8月14日(火)に岩手県釜石市で催される映画や落語、音楽の催し「復興 釜石映画祭」。「被災地に元気を与えよう」と企画した大阪在住の映画監督石田摩耶子さんに、その意気込みを聞いた。
「復興 釜石映画祭」代表の石田摩耶子さん |
石田摩耶子さんは岩手県釜石市出身。代表作は2008年の伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞で大賞に輝いた『ヤング通りの住人たち』(60分)。ヤング通りと言う架空の土地を舞台に、住人たちが人生を変えるため一歩を踏み出す姿を描いた群像劇だ。
今回の「復興 釜石映画祭」は釜石出身の石田摩耶子さんが「地元の復興に役立てば」と企画し、同市の協力を得て実現した。現在大阪に住んでいる石田監督の意見に賛同したのが、同じく大阪在住の映画監督・渡辺シンさん(『テンロクの恋人』など)と、テンロクムービープロジェクトの皆さん。「映画だけでない盛りだくさんなイベントにしよう」と、『ヤング通りの住人たち』で主演をつとめたシンガーソングライターの真依子さん、『テンロクの恋人』の主役の1人で落語家の桂三風さんに参加を依頼。快諾を得て、映画と音楽、落語というラインナップが実現した。
「被災地に元気を!」と盛り上がる映画祭の協力メンバー |
石田監督と渡辺監督は2011年9月に「映画市場(シネマルシェ)」というイベントを企画。
「いろんな土地の映画を集めて上映しよう」という主旨で、『ヤング通りの住人たち』『テンロクの恋人』を中心に、地域を描いた映画を集めて上映を行った。
「もともと『映画市場』を釜石市に持っていくつもりだったが、地域の手助けをするにはきちんと地名を冠し、『釜石映画祭』という名前にしたほうがいいと考えました。釜石はいまだ震災の被害が残る場所。元気づける助けになれればうれしいと思っています」と石田さん。
映画館が現在一つもないという釜石市。だからこそ映画イベントを企画し、少しでも多くの人に楽しんでいただきたい、と話す。「いつか『復興』という文字がとれ、他の都市とも提携を結びながら、地方を盛り上げるような動きになれば」と期待を寄せている。
「復興 釜石映画祭」は8月14日(火)に開催。大阪からスタートした地域映画祭の試みに、注目したい。
■開催日時
8月14日(火)
■会場
ホテルサンルート釜石
(岩手県釜石市大町2-3-3)
■サイト
復興 釜石映画祭
http://kamaishi-moviefes.com/
【キネプレインタビュー】渡辺シン
http://www.cinepre.biz/?p=958