上映中の『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』の行定勲監督と青山美郷さんが8月9日(土)に塚口サンサン劇場を訪れ、舞台あいさつとトークショーを行った。
『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(2014年、113分)は、作家西加奈子さんの著作「円卓」の映画化作品。『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』などで知られる行定勲監督が手がけた。主演は、本作が映画初主演となる芦田愛菜さん。
舞台は、大阪の団地。大家族と暮らしながら、普通の生活を嫌い、人と違うことにカッコよさを見出す少女こっこが、ひと夏の体験を通して成長する様子を描いている。
8月9日(土)には、上映が開始した尼崎の塚口サンサン劇場に、行定勲監督と、こっこのお姉さんの3つ子を1人3役で演じた青山美郷さんが来場。上映後の舞台あいさつと、その後のトークショーを実施した。
関西出身の役者を多くキャスティングしたことについて「関西人でないと演じられないのでは、と思いました」と話す行定監督。青山さんは、3つ子を演じ分けた難しさについて話し、行定監督は「3つ子の演じ分けについてもっとすごい反響があるかと思っていたら、自然すぎてあんまり言及されなかった。報われないよね」と笑いを誘った。
最後に青山さんは「大人が観たらいろんなことを思い出したり、キュンときたり、そんな部分がたくさん詰まっている映画です」とアピール。行定監督は「子どもの映画だから、何も説明しない映画にしました。まんまを描くという。その中に何かしら感じとっていただける部分があると思います」と話した。
その後場所を移して行われたトークイベントで行定監督は、芦田愛菜さんについて「彼女が出てくれなかったら、やめていました」ときっぱり。「彼女は間違いなく天才です。自分とはまったく違うキャラクターであるこっこという少女を、客観的に考えながら演じ、自分のものにして作りだしている。素晴らしいです」と絶賛した。
他にも、観客の質問に応じる形で、多くの裏話が披露。行定流子役演出方法や、ロケ地の話、この原作を選んだ理由など、多くの話題に触れたトークショーとなった。
トーク終了後はサイン会も実施。パンフレット購入者にサインを行った。
キネプレ向けのインタビューで行定監督は「関西では、常に人が集まる場所が多くて活気がある」と言及。塚口サンサン劇場について「映画てんこ盛りな感じが素晴らしい。アジアの映画館みたい」と絶賛し、「ワクワクしました。ぼくたちもこういうところでトークショーをよくやっていたんです。こういう場所は忘れずにいたいですね」と話した。
大阪を描くことについては、「大阪という街に対してぼくたちが感じている“大阪らしさ”は、今回のような子どもの世界では違うんじゃないかと。だから言葉や距離感のような形で関西の気質を表現したいと思いました」と振り返る。「あとは、太陽の塔。その背中の黒い太陽の顔がとても気に入って、それを出したいなと。だからこっこの住んでいるエリアを、大阪の北の方に設定しました」と裏話を披露した。
2度目3度目の観賞となる観客に向けては「青山さんの3人の演じ分けや、お父さん演じる八嶋智人さんの関西人っぷりにも注目してほしい」と呼びかけた。
『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』は、塚口サンサン劇場で8月22日(金)まで上映予定。宝塚シネ・ピピアでも8月13日(水)から8月17日(日)までの追加上映が予定されている。
『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 塚口サンサン劇場 8月9日(土)~8月22日(金) 宝塚シネ・ピピア ■映画館 シネ・ピピア ■サイト |