第9回大阪アジアン映画祭が閉幕。3月16日(日)にクロージングセレモニーが行われ、各賞が発表された。フィリピンの『シフト』がグランプリとなったほか、『KANO』が観客賞に選ばれた。
第 9 回大阪アジアン映画祭は、3月7日(金)から大阪市内の映画館や各会場で実施されていたアジア映画の祭典。
最終日となる3月16日(日)にABCホールでクロージングセレモニーが行われ、特別招待作品『そこのみにて光輝く』(2014年、120分)が上映されたほか、グランプリなど各賞が発表された。
グランプリに選ばれたのは、フィリピンのシージ・レデスマ監督が手がけた 『シフト』 (2013年、81分)。ミュージシャンか写真家を夢見るコールセンター勤務のエステラを主役にしたオフビートのラブストーリーとなっている。
また、「来るべき才能賞 」には、韓国の俳優で今回『ローラーコースター』で監督デビューを飾ったハ・ジョンウさんが選出。
最優秀女優賞は香港の『越境』(2013年、95分)主演女優のカリーナ・ラウさん、スペシャル・メンションにフィリピンのシーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督の『アニタのラスト・チャチャ』(2013年、113分)、 朝日放送が「最も優れたエンターテインメント性を有する作品」を表彰するABC賞に台湾の 『おばあちゃんの夢中恋人』(2013年、124分)がそれぞれ選ばれた。
また、永瀬正敏さん主演、台湾の高校野球部が日本の甲子園での優勝を目指す実話を映画化し、大きな話題となった『KANO』(2014年、185分)は、観客の支持を最も集めた「観客賞」を受賞した。同作は今回の大阪アジアン映画祭のオープニング作品に選ばれ、初日の3月7日(金)には大阪ステーションシティ・時空の広場で、永瀬さんや同作顧問の王貞治らがセレモニーを行っていた。
今回のコンペティション部門の国際審査委員で、フィリピン映画の女優として活躍するユージン・ドミンゴさんは、今回の映画祭について、「審査委員全員の一致した意見は、韓国映画とフィリピン映画の印象が最も強かった」と言及。
「今回、私たちが選んだのは、シンプルで、率直で、真摯にさまざまな境界を乗り越えて制作された作品です。どうぞ、参加作品の関係者全員に、大きな拍手をお願いいたします」と呼びかけた。
また、映画祭自体に関しても「私たちがここに集うきっかけをつくってくれた大阪アジアン映画祭に感謝するとともに、観客の皆さん、映画祭のサポーターの皆さんにお礼申し上げます」とコメント。「大阪アジアン映画祭は、大阪が世界へとつながるゲートウェイとなる、意義ある文化事業となりました。おおきに!」と締めくくった。
■サイト
第9回大阪アジアン映画祭
http://www.oaff.jp/2014/ja/
アジアン映画祭開幕 大阪駅に王貞治さん・永瀬正敏さん登場 [レポート]
http://www.cinepre.biz/archives/11034