映写機の歴史や映写技師たちの思いなどを描いたドキュメンタリー『旅する映写機』が、関西各館で上映される。同監督の前作『小さな町の小さな映画館』の併映や、関連トークイベントも。
『旅する映写機』(2013年、105分)は、ドキュメンタリー映画。映像データがデジタル処理されるのをきっかけに、全国各地から姿を消しつつあるフィルム映写機。その存在や映写技師たちの映画にかける思いに焦点を当てた作品となっている。
取材先は、北海道で90年以上続く大黒座をはじめ、大正時代に建てられた劇場が現存する福島県の本宮映画劇場、2012年12月に閉館した東京のシアターN渋谷など、15カ所。それぞれの映画館での映写の様子や、「古い映写機がいろんな映画館を渡り歩いていく様」などを記録した。
監督の森田惠子さんは公式サイトで、「私たちが映画を観ている間中、ずっと後ろで回り続けている映写機への興味がむくむくと湧いてきました。そこへ、映像のデジタル配信化の話が重なり、フィルムが、映写機が、姿を消そうとしている!という現実が迫ってきました。今こそ、映写機の記録の残さなければ・・・と思いました」と、今作を手がけるきっかけの思いをつづっている。
森田さんは、以前に同じく映画館の様子を映した『小さな町の小さな映画館』(2011年、105分)を制作。『旅する映写機』にも出てくる、北海道・浦河町ので90年以上も続く映画館「大黒座」を取材し、その長い歴史の秘密に迫っている。
今回は『旅する映写機』関西上映に合わせて、『小さな町の小さな映画館』を併映。
大阪・十三では第七藝術劇場で『旅する映写機』を、1フロア下のシアターセブンで『小さな町の小さな映画館』を同時上映するほか、京都の元・立誠小特設シアターでは2作を順次上映する。
さらに元・立誠小特設シアターでは関連企画を実施。
「おしえて先輩!映画館!」と題し、開設1年の“若輩”である同劇場が、“先輩”である第七藝術劇場、シネ・ヌーヴォ、京都シネマ、京都みなみ会館、元町映画館の支配人・館長、京まちなか映画祭実行委員長や森田監督らをゲストに迎え、映画館やそれを支える人の魅力を教えてもらうトークイベントを開催する。
『旅する映写機』は大阪・十三の第七藝術劇場で1月25日(土)から1月31日(金)まで、京都・河原町の元・立誠小特設シアターで2月22日(土)から3月7日(金)まで上映される。
また、『小さな町の小さな映画館』は大阪・十三のシアターセブンで1月25日(土)から1月31日(金)まで、元・立誠小特設シアターで2月15日(土)から2月28日(金)まで上映。
町と映画館の関わり。
フィルムにかける映写技師たちの思い。
映画にかかわる人だけでなく、多くの人に見てもらいたい作品だ。
『旅する映写機』予告編 |
詳細情報 |
上映日程 |
『旅する映写機』 第七藝術劇場 1月25日(土)~1月31日(金) 元・立誠小特設シアター 『小さな町の小さな映画館』 元・立誠小特設シアター |
映画館 |
第七藝術劇場 (大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073) シアターセブン 元・立誠小特設シアター |
サイト |
『旅する映写機』公式サイト http://www.eishaki.com/ 『小さな町の小さな映画館』公式サイト http://www.chiisanaeigakan.com/ 第七藝術劇場 http://www.nanagei.com/ シアターセブン http://www.theater-seven.com/ 元・立誠小学校 特設シアター http://risseicinema.com/ トークイベント:おしえて先輩!映画館! http://risseicinema.com/archives/3295 |