「海炭市叙景」などの作品で知られ、芥川賞に何度もノミネートされながらも受賞を逃した小説家・佐藤泰志さんの生涯を描いた『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』が、第七藝術劇場、シネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館で上映される。
『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』は、再現ドラマを交えたドキュメンタリー作品。芥川賞などの文学賞に何度もノミネートされながらも選ばれず、41歳の若さで命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の半生に迫っている。
ナレーションを俳優の仲代達矢さんが担当するほか、再現ドラマ内の佐藤の母親役を加藤登紀子さんが演じている。
佐藤泰志の代表作は『海炭市叙景』『移動動物園』『そこのみにて光り輝く』など。2010年には函館市民の協力のもと『海炭市叙景』が映画化された(加瀬亮ら出演)ほか、2014年春には映画『そこのみにて光り輝く』(綾野剛、池脇千鶴ら出演)の公開が予定されている。
制作のきっかけは、1960年代にさかのぼる、と話す監督の稲塚秀孝さん。劇作にとりくんだ高校生時代、同世代ながら小説の分野ですでに才能を開花させつつあった佐藤泰志の名前を知った。結局生前は合うことはなかったが、ずっと気になる存在として稲塚さんの脳裏にいたという。
「佐藤泰志には、一途なところがたくさんある。それが、みんなが応援したくなる理由なのかもしれない」と話す。
取材を進めていくなかで、佐藤さんの個性への理解がどんどん深まっていった、と話す稲塚さん。その才能や情熱について、「書くこと以外になにもやれなかった、やろうとしなかった人だと思います」と評している。また、ナレーションを仲代達矢さんに依頼した際に、「書くことの重さは、生きることの重さでもあり、演じることの重さでもある」と言われたことが胸に響いた、とも。
「書くことなどの表現に取り組む人、取り組もうとしている人にもたくさん観てもらいたい」と呼びかける稲塚さん。学生らにもぜひ鑑賞してもらい、それぞれが「書くことの重さ」について思いを巡らせてもらえれば、と期待を寄せている。
映画『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』は、大阪・十三の第七藝術劇場で1月11日(土)から、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで1月18日(土)から、京都・東寺の京都みなみ会館で2月1日(土)から、それぞれ上映される。
予告編 |
詳細情報 |
上映日程 |
第七藝術劇場 1月11日(土)~24日(金) シネ・ヌーヴォ 京都みなみ会館 |
映画館 |
第七藝術劇場 (大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073) シネ・ヌーヴォ 京都みなみ会館 |
サイト |
『書くことの重さ~作家 佐藤泰志』公式サイト http://www.u-picc.com/kaku-omosa/ 第七藝術劇場 http://www.nanagei.com/ シネ・ヌーヴォ http://www.cinenouveau.com/ 京都みなみ会館 http://kyoto-minamikaikan.jp/ |