塚口サンサン劇場の改革10年を記した人気連載! 書籍も発売中!

連載コーナーはこちら

映画ファンに愛され16年・・・梅田ガーデンシネマが来春閉館へ

梅田スカイビル内の「梅田ガーデンシネマ」が、2014年2月末の閉館を発表。16年におよぶ歴史への幕引きに、多くの惜しむ声が寄せられている。

※2014年2月末閉館時のレポートはこちら
梅田ガーデンシネマ1
2014年2月の閉館が決まった梅田ガーデンシネマ

梅田ガーデンシネマは、もともとシネプレックス株式会社が運営する単館系映画館としてスタート。梅田スカイビル開業の4年後となる1997年に、同ビルタワーイースト4階にオープンした。
1990年代は、大阪でミニシアター文化が活発になった時期。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984年)や『パリ、テキサス』(1984年)、『ベルリン・天使の詩』(1987年)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)などのヒットも記憶に新しく、多くの単館系映画館が全国に生まれていた。1990年代の大阪では、テアトル梅田や十三の第七藝術劇場、シネマート心斎橋の前身となるパラダイスシネマ、九条のシネ・ヌーヴォが誕生している。

梅田ガーデンシネマは、シアター1、シアター2ともに111席の座席を有し、単館系作品を中心に多くの映画作品を上映。1フロア下のシネ・リーブル梅田とともに、大阪の映画ファンに長く親しまれてきた。
もともと「ガーデンシネマ」の名前を有する映画館は、恵比寿、梅田、新宿の3館だったが、2008年に「新宿ガーデンシネマ」が「角川シネマ新宿」と改名。2011年に同社が角川書店の子会社となったことを受けて、恵比寿ガーデンシネマが休館。「ガーデンシネマ」の名前を冠した最後の映画館となっていた。
なお、シネプレックス株式会社は、今年2013年6月にユナイテッド・シネマ株式会社に合併し、消滅している。

梅田ガーデンシネマ2

同館の特徴として、明るいロビーが挙げられる。劇場奥が全面ガラス張りとなっており、開放感が人気の理由の一つとなっていた。
また、女性トイレの設備にも力を入れており、その広くゆったりとした空間は、老人から若者まで多くの女性の好評を得ていた。

今回の閉館の報は、ツイッターなどのSNSで拡散。「思い出があるし、悲しい」「突然の知らせにぼう然」「ラインナップが好きだったのでさびしい限り」といった声が相次ぎ、16年の間多くの人に愛されてきたことがうかがえた。
中には「次の映画館はどんなのだろう」「映画館が変わっても良質な作品をかけつづけてほしい」など、次の体制に期待する声も多く見受けられた。

閉館時期は、2014年2月28日(金)。閉館の翌日の3月1日(土)より、新しい映画館が誕生するという。新映画館についての情報などは、後日報告される予定。
※12月26日(木)、梅田ガーデンシネマのスペースが同ビル3階のシネ・リーブル梅田の増床として活用される予定であることが、公式に発表されました。
また合わせて、同映画館の会員制度「ガーデンシネクラブ」は解散へ。現会員には最新の年会費を返還するなどの対応を行う。詳しくは公式サイトへ。

詳細情報
サイト 梅田ガーデンシネマ
http://www.gardencinema.jp/umeda/
「どうか映画観つづけて・・・」 梅田ガーデンシネマが閉館
http://www.cinepre.biz/archives/10848