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オダギリジョーさん「一生に一度、出会えるかどうかの作品」大阪で『エルネスト』特別試写会

キューバ革命の英雄チェ・ゲバラと共に戦った日系人・フレディ前村の生涯を描いた映画『エルネスト』の特別試写会が、9月21日(木)TOHOシネマズ梅田にて開催。ゲバラファッションに身を包んだ観客の前で、主演のオダギリジョーさん、阪本順治監督が舞台挨拶を行った。

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映画『エルネスト』は、医師を志してキューバの国立大学に留学した日系人・フレディ前村が、チェ・ゲバラと出会い、彼の意志に共感してボリビア軍事政権へと立ち向かう壮絶な生涯を描いた作品。ゲバラ没後50年となる節目に日本とキューバの合作映画として製作され、主人公の日系人・フレディ前村をオダギリさんが演じ、阪本監督がメガホンをとった。

(C)2017 “ERNESTO” FILM PARTNERS.

この日の試写会には、ゲバラに扮したファッションやゲバラがプリントされたTシャツを着用した人のみが参加。熱狂的なサポーターたちに歓迎され、オダギリさんと阪本監督は舞台挨拶に登場した。
まず挨拶をしたオダギリさんは「東京でもこういうファッションに身を包んだ人の前で舞台挨拶をやったんですけど、大阪もこんなことになってるとは」と驚きつつ、観客の中にゲバラに似た人を発見し「いろんな人がいますね」と笑い、場を和ませた。そして「日本映画がたくさん公開されている中でも重要で意味のある作品。たくさんの人に紹介してもらえたら」と、本作をしっかりアピールした。

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ゲバラファッションの観客を前に挨拶をするオダギリジョーさん
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観客の中にゲバラに似た人を発見し、笑顔になるオダギリさんと阪本監督

阪本監督も「今日は何の集会でしょうか?」と客席をイジりつつ、挨拶。製作にあたりキューバを訪れた際のことを思い出し「ハバナの革命博物館、サンタ・クララにあるチェのお墓などに行くと、日本の若者がたくさんいるんですよ」と、多くの日本人がゲバラの過ごした地を訪れていることに驚いたそう。首都から遠いゲバラが殺害された地にも日本人が多く訪れていたことにもびっくりしたと明かし「これだけの日本人が彼の足跡をたどる旅をしているという現状を、この映画の制作を通して初めて知りました」と話した。

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制作時のことを振り返りながらコメントをする阪本順治監督

オダギリさんと阪本監督は本作で3度目のタッグ。オダギリさんは監督を「自分にも厳しい方なので、横にいると甘えを許している場合じゃないと、背筋を伸ばさないといけない気持ちにさせてくれる。常に厳しさをもった素晴らしい監督だと思います」と改めて敬意を払った。
オダギリさんを主演にした理由を聞かれた阪本監督は「3回目に一緒にやるときは、主演と監督の関係でやりたいと思っていました。ヒットするかどうかもわからないハードルが高い作品に挑戦するときには、彼を主演にして道連れにしようと決めてたんです」と明かす。対してオダギリさんは「予測のつかない作品の方が胸踊るタイプの俳優ですし、ハードルの高い作品はやりがいを感じる。一生に一度、出会えるかどうかの作品だなと思ったし、必ずこの作品が自分の財産になると確信がありました」と熱い思いで返した。

本作を通じて何か影響されたことがあったかの質問に、オダギリさんは「自分でも情けないと思うような生活をしているんですが、ゲバラやカストロたちの人生を目の当たりにすると気持ちが引き締まる。彼らが過ごした日々と、僕が今過ごしている日々の重みが全く違って見えるから、そういう人の生き様みたいなものは、日々ダラダラと過ごす僕みたいなタイプには、大きな影響を与えますね」と回答。
阪本監督は「撮影時はオダギリさんにもキューバの俳優たちにも、僕がどれだけこの作品に真剣なのか示さないといけないので、ある種の自信みたいなものを持ちながら撮影していました。この映画に関しては、誰にも負けないものをもっている自信があります。でも、普段の生活は緊張感がとけるのか、僕もダラダラしています」とコメントし、観客を和ませた。

最後には日本映画の現状にも言及しつつ、本作にかける熱い思いをアピール。オダギリさんは「今の日本映画は、漫画や原作モノ、テレビの映画化が多く、映画ファンとしてこの先を心配してしまう気持ちもある。でも、そんな中でこの作品ができたことに意味があると思っています。こういう作品を出来る限り多くの人に観ていただくことで、今後もこのいう映画がつくりやすい環境が残る。できるだけ多くの人に観てほしい」と素直な気持ちを話した。
阪本監督は「僕らと同じような生活をしている普通の医学生が、のちに銃を手にし、人を殺めるかもしれない状況になる、その過程を観てほしいと思って、この作品をつくりました。時代も違う異国の話ではあるけれど、自分の過ごした日常と重ねてみては」と話し「この作品が日本で生まれたことに、もし価値があると思ってもらえたら、ぜひ広めてほしい」と熱い思いを観客に伝えた。

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ゲバラファッションに身を包んだ観客とフォトセッション

映画『エルネスト』は10月6日(金)より、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、神戸国際松竹ほかで全国ロードショー。

映画『エルネスト』予告編

詳細情報
■上映日程
10月6日(金)~

■サイト
映画『エルネスト』公式サイト