『64-ロクヨン-』2部作を手がけた瀬々敬久監督による自主制作映画企画『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』が、出資者および関西在住の出演者を募集している。京都・滋賀でも撮影予定。
『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』は、第一次世界大戦時の大戦景気を経て、世界恐慌や関東大震災といった混沌の中で様々な大衆文化が花開いた大正時代が舞台の映画。当時の農村を中心に活況を呈していた「女相撲興行」の力士たちと、格差のない理想世界を夢見る若きアナキストたちの出会いを軸に、庶民たちの荒々しくも猥雑なパワーを描く。ともに実在した「女相撲の女力士」と「アナキストたち」がもし出会っていたら、という、事実をもとにしたフィクションとなる予定だ。
脚本は瀬々監督と、『サウダーヂ』(2011)の脚本を手掛けた相澤虎之助さん。
監督の瀬々敬久さんは、これまで一般映画、ピンク映画、テレビドキュメンタリーなどジャンルを問わず活躍してきた。商業的な作品を作り続ける一方、4時間38分の超長編映画『ヘブンズストーリー』(2010)をインディーズ体制で制作し、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。最近では、横山秀夫原作の推理小説を映画化した『64-ロクヨン-』の前編・後編が公開され、高い評価を得ている。
現在はこの新作企画『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』の出資金を、1口500,000円にて9月30日まで募集中。大正時代の街並みや風俗もできるだけ当時に近づけるためにはやはりお金がかかるといい、「この企画に賛同していただける皆様の力がこの映画の質を高めるに欠かせません」と呼び掛ける。
出資金は、「菊とギロチン」製作委員会の幹事会社である有限会社スタンス・カンパニーが管理。映画公開後の収益は、出資比率に応じて各出資者に配分する。監督もしくはプロデューサーと面談し、合意事項を了承のうえ出資を決定していく、という流れだ。
また、500,000円未満の出資については、1口10,000円からのカンパとして受け取る形で、カンパすると映画エンドロールに氏名もしくは団体名が掲載されるほか、制作の進捗状況の定期的なお知らせや、映画公開時には様々なオリジナルグッズが受け取れる。協賛金は、2017年3月31日まで募集。
また、出演者については、現在、南洋諸島出身の女相撲力士役として、20代の褐色系ハーフもしくは外国人の女性を募集。さらに、今秋に予定している京都や滋賀でのロケに合わせて、関西在住の参加者も募っている。こちらは7月15日を目処に〆切。
「皆様のお気持ちが画面に反映され、充実した映画になるよう監督はじめスタッフ一同本気で取り組みます」と訴える制作スタッフ。瀬々敬久監督は「やるなら今しかなく、いつだって今しかない。その想いでこの映画に向かっています。」とメッセージを表明している。
映画『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』は、2017年~2018年頃公開予定。撮影は2016年秋に実施予定。
※資料提供 佐藤宏一、遠藤泰夫、アナキズム文献センター (敬称略)
『菊とギロチン -女相撲とアナキスト-』特報 |
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■詳細日程 ・出資金募集 9月30日まで ・協賛金募集 ・出演者募集 |