奈良市からの助成金カットにより存続が危ぶまれていた「なら国際映画祭」だが、当初予定していた通り、昨年より2日間多い6日間の開催を発表した。引き続き協賛・支援の呼びかけを継続中。
「なら国際映画祭」は、2010年にスタートした映画祭。奈良県出身で、現在も奈良に住む映画作家・河瀨直美さんが中心となって、地域の人たちや映画関係者の協力を受け、2年に一度のペースで開催してきた。世界各国からゲストを呼んでの映画上映を行うほか、若手監督の作品制作を助成し、奈良を舞台にした外国人監督の映画撮影をサポート。映画を通じて、奈良の魅力を国際的に発信する試みを行ってきた。
地域と連携した催しも多彩に実施し、寺・小学校での野外上映、児童への映画文化の啓発、アートイベントなどを盛り込んだ一大フェスティバルという側面もある。
今年で第4回目を迎えるにあたり、奈良市からの補助金1,260万円が、3月末の新年度予算審議で全額削減された。いままでより開催期間を延ばした計6日間の開催を見込んでいたところの逆風だったが、河瀨直美さんをはじめとする実行委員会や有志が様々な形で活動。
夏木マリさん、別所哲也さん、斎藤工さん、松田美由紀さんといった俳優陣からは応援コメントが届いたほか、奈良市では「なら国際映画祭2016全力応援上映会」が開催。同委員会の協賛を募る「レッドカーペットクラブ会員」の会員数が1カ月で約300名増加し、有志によるクラウドファンディングサイトも立ち上がるなど、様々な動きを見せていた。
5月には、河瀨直美さんから「今年の4日間の開催は約束できる」とのコメントも発表されている。
だがあくまで目標は、当初からの6日間開催。5月末に開かれたなら国際映画祭の臨時理事会で、6日間の開催が決定した。
「資金はまだ充分とは言えませんが、最低限必要な費用は賄えるレベルに達したと判断し、当初予定の事業規模で開催することを決定いたしました」として、9月17日(土)から22日(木・祝)まで、奈良市ならまちセンターや奈良県文化会館などの奈良市各地で実施する旨が、発表された。
同委員会からは、「奈良市補助金全額削除の市議会決定後の二か月間、思いがけないほど多くの方々から叱咤激励のお言葉、そして物心両面でのご支援を賜りました。誠にありがとうございます。感動の日々でした。3月末以降に受けた当実行委員会への反応の全ては私たちに対する期待の現れであると受け止めております」との感謝のコメントが。引き続いでの、レッドカーペットクラブ会員入会や、クラウドファンディング、協賛などの支援を募っている。
また同祭ではボランティアスタッフも募集中。6月から10月頃までの長期スタッフ(事務局サポート、広報)と、9月17日から22日までの短期スタッフ(会場運営、舞台サポート、デイリーニュース、アテンド、託児)の参加を募っている。
さらに、別所哲也さんが代表を務めるショートショート フィルムフェスティバル & アジアとのコラボ企画もスタート。「Road to Cannes ~カンヌへの道~」と題し、若手映画人の海外での活躍をサポートするプロジェクトを立ち上げる。
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■開催日程 9月17日(土)~22日(木・祝) ■サイト |