東大の同期生同士で作家・監督として活躍した2人の巨匠ゆかりの映画28作を上映する「生誕九十年 三島由紀夫と増村保造」が、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで1月17日(土)から実施される。
増村保造監督が2014年に生誕90年を迎え、2015年1月14日(水)には三島由紀夫が同じく生誕90年を迎えることから、この2人のコラボ記念企画が実現した。
増村保造監督は、1957年の『くちづけ』で監督デビュー。助監督時代には溝口健二や市川昆などの有名監督に師事した。デビュー後は様々な名優たちの作品を監督、大映時代の15年に48作品を手がけた。
作家の三島由紀夫氏とも親しく、もともと東京大学法学部の同期生同士だったという。その後も親交は続き、三島主演の『からっ風野郎』(1960年)を制作したほか、大映から独立後の初監督作『音楽』は、三島夫人から映画化権が提供された作品だった。1986年死去。生涯に57作品を制作した。
シネ・ヌーヴォでは2014年8月~9月にも増村監督特集を実施したが、それが好評だったことから第二弾を企画。今回は、この2人にスポットライトをあてた特集上映を実施する。
『音楽』を初め、井上靖原作の『氷壁』(1958年)や川端康成原作の『千羽鶴』(1969年)など増村監督作19本と、『潮騒』(1954年)、『愛の渇き』(1967年)などの三島由紀夫原作もしくは劇化作品9本、計28作品を一挙に上映する。江戸川乱歩原作を三島由紀夫が劇化した『黒蜥蜴』の主演が京マチ子版(1962年)と、美輪明宏版(1968年)も。
「古い作品はプリントが劣化したり、プリント自体がなかったりと、なかなか上映できないものも多い」と話すシネ・ヌーヴォ支配人の山崎さん。そのため第2弾の作品数が少なくなってしまったため、別の特集を合わせようと考え、ちょうど生誕90年を迎える三島由紀夫の特集を思いついたという。
「『からっ風野郎』の演技が素人同然だった三島は、厳しい増村の演出を受けたそう。でも映画完成後も親しくお付き合いが続いたようで、そんな二人の競演はきっと面白いと思います。ぜひ劇場で、2人の巨匠が残した映画の世界を体験してください」と呼びかけている。
特集上映「生誕九十年 三島由紀夫と増村保造」は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで1月17日(土)から2月20日(金)まで5週間実施される。
詳細情報 |
■実施日程 1月17日(土)~2月20日(金) ■料金 ・当日 ■映画館 ■サイト |