2月22日(土)、京都の元・立誠小学校特設シアターで、トークイベント「おしえて先輩!映画館!」の第3弾が開催された。
これは日本各地の映画館を巡るドキュメンタリー『小さな町の小さな映画館』『旅する映写機』の上映に絡めたイベントで、立誠シアターが映画館の中の人たちをゲストに迎え、映画館の魅力や舞台裏に迫るというもの。
第3弾となる今回は「映画館の達人篇」。
関西のミニシアターをリードする京都シネマの横地由起子支配人と第七藝術劇場の松村厚支配人を迎え、現在の映画館を取り巻く状況や、映画館の今後についてお話しいただいた。
まずお二人の簡単な経歴とそれぞれの映画館の特徴について。
横地支配人は京都シネマを含め、これまで4つの映画館に携わってきたという正に映画館の達人だ。京都シネマには会員制度があり、現在も多くの会員に支えられているという。また京都は学生の街ということもあることから、その地域性を活かし、大学と提携した上映企画が多いのが京都シネマの特徴だ。
第七藝術劇場の松村支配人は東京で10年ほどサラリーマンをしていたが、その後映画の宣伝補助の仕事をするなど、いろいろな経験を経て、今に至るそうだ。第七藝術劇場はドキュメンタリーを中心に幅広い作品を上映されており、多くのファンを魅了している。松村支配人は毎晩各映画館のホームページをチェックし、それぞれの映画館が編み出した企画を研究されているとのこと。あくなき探究心。その想いこそが愛される映画館を作っているのだろう。
現在の映画館を取り巻く状況は厳しいものがある、と両支配人とも口をそろえていた。
これからは若い人にどうやって観に来てもらうかということが重要であり、若い人を育てることが今後の課題であると話された。普段はライバル同士だが、それに関してはお互いミニシアターとして提携していきたいとのことだ。
最後に松村支配人が「映画館を育てるのはお客さん。映画館に足を運んでほしい」と呼びかけた。
映画館の灯を絶やしてはいけない。支配人の想いは切実だ。
私はどちらの映画館も観に行くことが多いが、どちらともそれぞれ個性があり、それぞれの空気感がある。シネコンもいいが、たまにはミニシアターを訪れてみてほしい。ミニシアターの空気感を感じてみてほしい。ミニシアターにはミニシアターならではの面白さがある。
※今回のレポートは、キネプレとシネマカレッジ京都の提携の元、同配給・宣伝クラス受講生が取材し、執筆したものです。
■サイト
映画館の役割、映画の価値―『旅する映写機』など関西で上映へ
http://www.cinepre.biz/archives/9796
『旅する映写機』公式サイト
http://www.eishaki.com/
『小さな町の小さな映画館』公式サイト
http://www.chiisanaeigakan.com/
「地域の映画館」について考える 映画人トーク特集
http://www.cinepre.biz/archives/10321
シネマカレッジ京都
http://cinemacollege-kyoto.com/