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「良作を大阪でも」 「山ドキュ in 大阪」が2年ぶり復活

山形国際ドキュメンタリー映画祭で受賞した映画を大阪で上映するイベント「山ドキュ in 大阪」が、7月1日(日)に行われる。場所はビジュアルアーツ専門学校大阪。

山形国際ドキュメンタリー映画祭は2年に1度開かれるドキュメンタリー映画の祭典。国内外から最新のドキュメンタリー映画とその作家たちが集結し、上映や表彰、交流が行われる。直近の開催は2011年10月。3月の大震災によって実施が危ぶまれたが、「国際映画祭としてできること」「文化交流の場としてなすべきこと」を考え、開催を決定。震災を取材した特別プログラムを編成し、まさにリアルな「今を生きること」を発信した。

「山ドキュ in 大阪」は、上記の映画祭の開催に合わせ、その中から優秀作・話題作などを選抜し、大阪での上映会を開いてきた。2006年に第1回を開催。今回は2年ぶり、通算7回目の実施となる。「毎回2作品。1つは大賞受賞作、もう1つは、ぜひ見てほしいおススメ作品」だと、企画・運営の楠瀬かおりさん。
今回上映されるのは、2011年の映画祭、インターナショナル・コンペティションで大賞を受賞した『密告者とその家族』(ルーシー・シャツ、アディ・バラシュ。84分)と、アジア千波万波部門で小川紳介賞を受賞した『雨果(ユィグォ)の休暇』(グー・タオ、49分)。

『密告者とその家族』は、密告者として長年イスラエルに通じていた父親が、その裏切り行為のためにパレスティナを追われ、妻と5人の子どもたちを連れてテルアビブに移り住む様子を撮った作品。絶えず不安定な生活を強いられる一家の姿や、次々に起こる事件に翻弄される日々をスリリングに描いている。
『雨果(ユィグォ)の休暇』は、内モンゴルが舞台。離れて暮らす息子・雨果(ユィグォ)が故郷に戻り、全身全霊で愛情を表現する母親を受け止め、気遣う様子など、家族と生活するつかの間の時間を切り取っている。


『密告者とその家族』(c)山形国際ドキュメンタリー映画祭

『雨果(ユィグォ)の休暇』(c)山形国際ドキュメンタリー映画祭

山形での映画祭運営の手伝いもしている楠瀬さんは、山形に1カ月以上住み込んでドキュメンタリー映画を見続けたこともあるという、“筋金入りの”ドキュメンタリー映画ファン。その楠瀬さんの「本気でおススメな作品を大阪に持ってきて上映したい」という思いから「山ドキュ in 大阪」が始まったという。「良質だけど山形以外の地域では見ることのできない作品はまだまだあるんです。そういった作品を大阪でも見れる機会を、これからも継続して作っていきたいです」と話している。

7月1日(日)、12:00に開場。2作品を2回ずつ上映。場所はビジュアルアーツ専門学校大阪。


楠瀬さん(左)と、ビジュアルアーツ専門学校の柴田誠先生

■開催日時
7月1日(日) 12:00開場
12:30~ 15:10~ 『密告者とその家族』
14:10~ 16:45~ 『雨果(ユィグォ)の休暇』

■料金
上映協力金として1,000円

■場所
ビジュアルアーツ専門学校大阪 新館3階アーツホール
(大阪市北区曽根崎新地2-5-23、TEL 06-6341-4407)
問い合わせ→放送・映画学科、柴田(shibata@visual-arts-osaka.ac.jp)まで

■サイト
山ドキュ in 大阪
http://white.ap.teacup.com/fowlnest/
山形国際ドキュメンタリー映画祭
http://www.yidff.jp/home.html
山ドキュ in 大阪 イベントページ(Facebook)
https://www.facebook.com/events/388041364565964/