塚口サンサン劇場の改革10年を記した人気連載! 書籍も発売中!

連載コーナーはこちら

新世界映画祭が開催 阪本順治監督に「お帰りなさい」

通天閣の真下にある新世界会館で8月3日(土)・4日(日)、「新世界映画祭」が開催され、『どついたるねん』など新世界を舞台にした映画を多数制作してきた阪本順治監督が来場した。


新世界映画祭で行われた阪本順治監督のトークショー。

新世界映画祭は、赤井英和主演のボクシング映画『どついたるねん』を小学校5年生の時に観て感動し、新世界にやってきたという安福さんらが主催となり、企画した映画上映イベント。昨年より企画してきたが、2013年6月に協力スタッフを募集。8月開催に向けて準備を進めてきた。
まず初日となる8月3日(土)には、通天閣に関する著作もある大阪府立大学准教授・酒井隆史さんが、「映画から見た新世界、これからの新世界」をテーマに講演を実施。
8月4日(日)は、『どついたるねん』と、同じく阪本順治監督で原田芳雄さん主演のドキュメンタリー風短編『新世界』、さらに新世界でお好み焼き屋「千両」を営む名物ママらの姿を映したドキュメンタリー『きばりゃんせ』(武田倫和監督)を上映。その後は特別に来場した阪本順治監督のトークショーを行った。


会場となった新世界会館

「お帰りなさい」と書かれた横断幕と大きな拍手で迎えられた阪本順治監督に、千両のママが「本当にお帰りなさい、という思いです」と呼びかけた。
『どついたるねん』に加え、“新世界三部作”と呼ばれる『王手』『ビリケン』を制作しており、新世界の住民からも親しまれている阪本監督。新世界という土地について「学生時代、良く映画館に足を運んでいたことからなじみ深くなった」という。
「くよくよ悩んでいてもしょうがないという気持ちにさせてくれる場所。人間はたくましく生きられることを教えてもらった」と話し、「どうしても自分のデビュー作の舞台はここにしたい、と高校の時から考えていた。だから『どついたるねん』を作ることができた」と振り返った。
安福さんは、映画監督を志していたといい、「こういう場で、阪本監督と再会することができて、とても光栄」と喜びを表現。阪本監督からは「彼女の動きがあってこそ、こんな素敵な場が実現した。ぜひ作品も作ってほしい。映画監督を目指しつづけてください」とエールが送られた。

途中、映画制作の現場で遭遇した“新世界ならでは”の出来事も紹介し、観客たちの笑いを誘った。阪本監督は「大阪の中でも、すごく特別な空間。エピソードだらけの街」と絶賛。最後に「もう一度新世界で映画を撮ってください」と呼びかけられ、「ここでしか撮れないものを思いつきたい」と応える一幕もあった。トークショーの最後には、阪本監督に花束を手渡され、多くの拍手が送られた。


新世界に対する思いを語る阪本順治監督

新世界映画祭は、来年以降も定期的な開催を予定。さまざまな展開を考えているという。
また阪本順治監督は、佐藤浩市さん森山未來さんら出演の最新作『人類資金』が、10月19日(土)から公開される。

■サイト
新世界映画祭facebookページ
https://www.facebook.com/pages/新世界映画祭/274752889317741
『人類資金』公式サイト
http://www.jinrui-shikin.jp/
新世界映画祭、開幕へ 『どついたるねん』阪本順治監督来場も【ニュース】
http://www.cinepre.biz/?p=6712